「三陸沖に瀬谷丸を!」の会長を務める 露木 晴雄さん 二ツ橋町在住 32歳
船が浮かんで初めて…
○…東日本大震災で被災した岩手県大槌町に、漁船の購入資金として3625万円の寄付を実現した「三陸沖に瀬谷丸を!」の会長を務める。瀬谷区内の若手経営者らで組織したこのプロジェクト。メンバーの努力と多くの協力で、当初の目標額を大きく上回る金額を集めることができた。「瀬谷区が一つになれたような気がして、本当に皆さんに感謝です。でも、まだ達成感はない。だって、船はまだ浮かんでないでしょ。三陸沖の瀬谷丸を見て、協力してくれた子どもたちが初めて実感してくれる。瀬谷丸で採れた魚を瀬谷の皆さんが食べてくれて、初めて協力してよかったと思ってもらえる。そういうことなんですよ」と1年後の進水式に思いを馳せる。
○…実は、やると決めた時点で必要な金額を知らなかった。それが3千万円だと知り「完全に想定外だった」と振り返る。しかし、若い力の勢いは止められなかった。唯一の大イベントとなった復興支援フリマでは、運営ノウハウがわからず、人知れず苦労を重ねた。期限まで残り1ヵ月で、ようやく1千万円を突破。緊急会議を開き「やれるところまで頑張ろう」とメンバーを鼓舞した。日々、プレッシャーとの闘いだった。運営方法をめぐってメンバー同士で口論になることも。そんな時、力を与えてくれたのが、子どもたちの積極的な協力だった。「ブックオフで本やゲームを売って協力してくれました。気持ちが嬉しかった」。最後は豪快なラストスパートで目標額を達成した。
○…瀬谷区生まれの瀬谷区育ち。(株)露木板金代表取締役。瀬谷丸のメンバーも仕事仲間が多い。「趣味?仕事だよ」と独特の甲高い声を発すると、周囲から「それは言うな」と爆笑と突っ込みの嵐。持ち前の明るい性格で、年上のメンバーとのコミュニケーションも苦にしない。「正直、人前で話すのはうまくなったかな」と周囲はまたまた大爆笑。家族は妻と2男1女。
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