大工として働く傍ら、区内外で写真展を開く 鴫原(しぎはら)克雄さん 竹村町在住 57歳
一瞬のために
○…平日は大工として働き、休日はカメラを片手に関東や東北まで足を延ばす。20年以上続く趣味が高じて区内外で写真展を開く。2011年に開かれた第2回神奈川フジカラーフォトグランプリでは、500点を超える作品の中から「夏を彩る赤富士」の題で、ネイチャー部門のグランプリに輝いた。6月20日からは仲間とともに、セヤカメラ(瀬谷駅南口)で作品展を開く。「一瞬の出会いを求めて撮影場所を探すことも楽しい」と魅力を話す。
○…福島生まれ。8人兄弟の末っ子で、「兄の真似をしながらソリとか筏を作って遊んでいた」。雄大な山々に囲まれて育った子ども時代。もの作りの魅力にはまっていったのは自然だった。中学を出て大工の道に進み、18歳で横浜へ。現在は旭区の工務店で新築工事やリフォーム工事に汗を流す。「キレイになったものを喜んでもらうのは写真と同じかな」と頬が緩む。
○…子どもの姿を撮ろうと、20年ほど前に一眼レフを買ったことがきっかけ。「一度はまったらのめりこむタイプ」。仕事場の工務店近くにある写真屋で知り合った人から風景の魅力を学び、10年近く行動をともにし、撮り方や構図を身につけた。紅葉を撮りに福島へ出かけた時にスコールに遭い、諦めて帰宅しようとしたことがあった。すると徐々に天候は回復。車を停めると、目の前には沼一面に浮かぶ紅葉の光景が広がっていた。「アクシデントもあるが、このような偶然の出会いも醍醐味の一つ」と豪快に笑う。
○…写真・カメラ用品会社のセミナーにも足を運ぶ勉強家。大工仕事で培った体力で、6、7本のレンズと三脚を担いで撮影ポイントを探すフットワークの軽さだ。「同じシーンは2度とこない」と、富士山の真上に北極星が映る場所を、10年がかりで探し当てたことも。「写真は一生楽しめる。体力が落ちてきたら次は花かな」。一瞬の輝きを求めて生涯現役を貫く。
|
|
|
|
|
|