神奈川県立瀬谷養護学校の13代目校長に着任した 田所 健司さん 厚木市在住 52歳
教育の原点と向き合う
○…創立45周年を迎える瀬谷養護学校第13代目校長に着任した。県立の知的障害養護学校としては神奈川県初の同校。「地域の一員として受け入れていただいている。瀬谷は暖かいところ」。教員生活30年の節目の年。副校長を2年務め、校長職へ。最初こそ緊張や不安はあったが、「先生たちのおかげで、日々安心して過ごせている」と周りへの感謝を滲ませた。
〇…厚木市出身。中1の時の担任教諭に憧れ、同じ道を進もうと決心。「自分のスタイルを持ち、誰とでも分け隔てなく接する人だった」と振り返る。採用後、最初の赴任地は生まれ育った厚木。そこで12年間、愛川町で3年間、中学で国語を教えた。2000年からは教育委員会で障害児教育課、特別支援教育課などを経験。秦野養護学校を経て瀬谷へ。「今携わっていることは教育の原点だと思う。子どもたち一人ひとりと向き合い、ニーズに合わせた教育を行う。この現場に来なければ実感できなかったかもしれないので、感謝している」と充実した表情。
〇…校長着任が決まった時、それを知った現在103歳の初代校長から励ましの手紙をもらい、その後会って話をした。「歴史の積み重ねで今が成り立っていると実感した」。学校は子どもたちのきっかけを作る場所。自分は「外交官」となり、地域社会とつなげる役割を担っていきたいと、力強い言葉で語る。12月の交流フェスティバルは地域との絆を深める場。町内連合会などと協力し、さらなる連携をめざしていく。
〇…「何にでも楽しみを見つけたい」というスタンスで、最近は料理にもこだわりが。「食材が気になるようになり、今ではスーパーの見方も変わった」と穏やかに笑う。街歩きも楽しみの一つで、神保町の古書店街がお気に入り。「今後は地図を片手に瀬谷を回り、いろいろ見てみたい」と意欲的。恩師の姿を思い浮かべつつ、自らのスタイルで教育と向き合ってゆく。
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