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瀬谷区 人物風土記

公開日:2017.04.20

5月2日に中屋敷地区センターで行われる「季節の寄せ植え」で講師を務める
石井 久美さん
阿久和西在住 48歳

花と人がパワーの源

 ○…「自分だけのハートを込めて作ってほしい」。5月2日に中屋敷地区センターで行う「季節の寄せ植え」は、母の日に向けた講座。花の魅力を伝えようと、15年ほど前から講師を務めてきた。「最初は不安そうな人も、体験後は楽しかったと言ってくれる。それが自分のエネルギー」と笑顔が弾ける。作る人の個性を引き出すため材料や費用は惜しまない。花や人との出合いが何よりパワーになる。

 〇…瀬谷区に生まれ、幼い頃から実家の花屋「原園芸」で両親の手伝いをしてきた。「遊びに誘われても、手伝いがあるからと断っていた。店番も楽しかった」と振り返る。大学卒業後は、長年の夢だった幼稚園教諭の道へ。「あなたの人生だからと思いを尊重し、応援してくれた両親には感謝」。仕事に邁進し、「やり切った」と思えたところで退職。結婚を機に、一番身近にあった花の仕事を選んだ。生け花の師範やフラワーデコレーターの資格を取得。今では「天職」と胸を張る。

 〇…「出会いや別れ、そのすべてに花がある」。原園芸では販売以外にも、冠婚葬祭における飾り付けなども重要な仕事の一つ。「いろいろとやっているからこそ、家族がチームとしてまとまっていないと」と仕事人の顔が覗く。ある結婚式を担当した際、新婦から髪に付ける花飾りの相談を受け、「私で良ければ」と初対面ながら引き受けたことも。状況に合わせ、さらにその人の気持ちにも寄り添う。「自分に預けてくれて、うちの店を選んでくれてありがとうという気持ちが常にある」。仕事を通した一期一会の出会いがモチベーションだ。

 〇…正月三が日以外休みは無いというほど、仕事に奔走。合間を縫ってバスケットボールやサッカーなど、子どもたちの試合を見に行くことが楽しみ。「花の世界にゴールはない。ブームを先に察知していかに提供できるか。常に勉強」。多忙な中でも貪欲に、好きな花と人に向き合い続ける。

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