ショウジョウトンボ文:清水道夫(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより140
夏のトンボと言えば草地等で多く見られる赤トンボを思う人が多いことだろう。この「赤トンボ」と言うのは特定の種類のトンボの名前ではなく、良く知られたアキアカネ等身体の一部が赤くなるトンボの仲間の総称である。
その「赤トンボ」とは少し遠い種類で、眼玉まで真っ赤になるトンボが夏の水辺で見られる。ショウジョウトンボである。中国での想像上の怪獣ショウジョウ(猩々)の赤色に由来して名付けられた由。本種は5月頃から10月の始め頃まで見られる夏のトンボの代表的な一種である。平地から低山地の湿地や池などに生息し、体長は45mm程。雄は成熟すると全身真っ赤で脚や縁紋(翅の先端部分にある小さな長方形の紋)まで赤くなる。一方、雌は成熟しても黄褐色にしかならない。雄は水面に突き出た草や杭等に止まり雌を待ち伏せる。近くにシオカラトンボ等が飛来すると飛び立って追い払ったりもする。
この時期、散策の途中に池や小流れがあったら覗いて見よう。今年最後のショウジョウトンボが見られるかも。
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