瀬谷区 人物風土記
公開日:2022.02.10
パラ競泳選手として活躍する
日向 楓さん
区内在住 16歳
進化止めず、パリへ
○…激動の年だった2021年。5月の大会でパラリンピック日本代表に選ばれると、パラ競泳のホープとして注目を浴びた。迎えた8月の本番では50mバタフライ(運動機能障がいS5)で7位入賞。日本記録でもある自己ベストを更新できなかった点を悔やむが、「1位の選手とは自己ベストでも5秒もの差がありました」と世界トップの高みを体感できたことは大きな収穫だった。
○…生まれつき両腕が無く、水泳は兄の影響で小学校1年から始めた。パラリンピックを志したのは小学校5年。瀬谷小学校の先輩でリオパラリンピック銅メダリストの多川知希さん(陸上)が母校に凱旋し、交流を通じて「自分も出たい」と夢を抱くように。「一緒に目指そう。東京大会の選手村で写真を撮りましょう」と呼びかけられた言葉は大きな励みになった。多川さんは昨年の大会に出場できなかったものの、聖火台に火を灯す立場で参加。「選手村にも来ていたと聞いて、探したけど見つからなくて」。いつか再会できることを願っている。
○…旭高校に通いながら、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールや所属クラブで練習に打ち込む。競技を離れれば、普通の高校生。得意科目は生物と化学だが、「理系に見えて一番苦手なのが数学」とおどける。性格は「負けず嫌い」。友人とスマートフォンの対戦ゲームで遊ぶときは勝つまで続けるそう。
○…現在の目標は2年後のパリパラリンピックでより上位に入ること。出場が大きな目標となっていた東京大会から視点が上がったかたちだ。昨秋の日本選手権では自己ベストを達成するなど早くもエンジンがかかる。そして、「いつか世界記録を更新したい」--。大いなる夢を胸に進化し続けていく。
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