瀬谷区 コラム
公開日:2023.03.16
サンシュユ文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
瀬谷の生き物だより158
街中で見られる早春の花木にはロウバイ、オウバイ、レンギョウ、マンサク等々何故か黄色い花が多い。そんな中の一つにサンシュユがある。
斜めに伸びる小枝に20〜30個の4〜5mmの黄色い小花の塊を樹一面に咲かせ、春の訪れを感じさせてくれる花木だ。
本種はミズキ科に属し、通常の樹高は3m位までだが、10m程に達することもある様だ。葉は5〜10cmの長楕円形で葉脈が浮き出ている。秋には葉面に黒い斑点が広がり、やがて枯れ落ちる。実は1・5cmの楕円形で垂れ下がり、夏から秋にかけて熟すと緑色から艶のある赤橙色になり、葉が落ちた初冬には樹一面グミに似た赤い実が目立つようになる。
原産地は中国で、江戸時代に強壮目的の薬用として渡来。生食は出来ないが、果実酒やジャムにされてもよいとのこと。現在は主として公園や民家の庭木として観賞用に利用されている。
因みに、サンシュユ(山茱萸)は漢名で、和名は春若葉に先立って黄色い花を咲かせることから、ハルコガネバナ(春黄金花)という。
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