安全な街づくりに邁進

　○…瀬谷区の印象を「緑が多く残るエリアと住宅街が交わる街」と話す。２０２２年に管轄内で発生した交通死亡事故２件、特殊詐欺の被害増、そのほかの犯罪を念頭に「防犯と被疑者の検挙を両輪に、皆さんが安心して生活できるよう署員一丸となり取り組みたい」と意気込む。

　○…福岡県出身。小学生で柔道、高校では空手に熱中。「体を動かすのは好きだったけど、強くはなかったな」と笑う。地元の大学に進み、「デスクワークより、街に出て人と会う仕事がしたい」と警察を志し、縁があり神奈川県警へ。交番勤務などを経て機動隊に配属。「重いジュラルミン製の盾を持って行う訓練が辛くてね」と振り返る。阪神淡路大震災での警戒活動や沖縄サミットなどの要人警備など県内だけでなく全国で活動した。

　○…40歳のころに検視官として捜査一課へ。「皆さんがイメージする刑事ではなくてね、亡くなった方が対象の仕事」。事件性の有無を調べ、その人の最期がどうだったかを明らかにすることが仕事だった。検視に抵抗感を持つ遺族に対しても「声なき声を聞き人としての尊厳を守ってあげたい」と丁寧に説明し、「死因が分かってよかった」と感謝されることも多かった。その後は科学捜査研究所に配属され所長を務めた。

　○…鉄道好きで「乗り鉄」を自称する。地方のローカル線が好きで、２、３日休みが取れれば鉄道旅を楽しんだ。「署長の間はできないね」とちょっと寂しそうに話すが３月18日に開業した相鉄東急直通線には当日に乗車したそう。今はもっと瀬谷のことを知ろうと時間があれば区内をジョギングする。「コロナも落ち着き、人出も多くなる。各関連団体の皆さんと協力していきたい」