市民に尽くすハマっ子

　○…１９８９年３月に開館し、横浜港の歴史と仕組み、役割について知ることができる横浜みなと博物館。同館の館長を兼任する。運営する財団の理事長のため「自らが自らを任命しないといけない」と思わず苦笑い。37年にわたる市職員としての経験を生かし、運営に力を注ぐ。

　○…明治大学を卒業後、「人のためになる仕事がしたい」と横浜市に入庁。今年の３月まで、８局２区１本部と、幅広い業務に携わった。若いころは窓口で適切な対応ができず苦い思いをしたこともあったが、「自分の仕事は市民のために尽くすこと」と乗り越えてきた。「今にして思えば良い経験だった」と振り返る。「異動した先で、骨を埋める覚悟で頑張るんだ」という先輩からの助言を大切に、それぞれの配属先で業務に励んできた。

　○…中区生まれ、本町小学校出身。いまも西区で暮らす生粋のハマっ子だ。「学校の校歌は忘れても、横浜市歌はそらで歌えます」と笑った。小学生のころは山下公園やマリンタワー、港の見える丘公園などに自転車でよく行ったという。中学から始めたテニスは現在も休日の楽しみの１つ。50歳を過ぎたころ、若手職員に誘われ登山も始めた。今年の９月には「富士山のお鉢巡りに挑戦する予定です」。

　○…みなと博物館は22年６月のリニューアルに伴い、常設展示の改装や帆船日本丸の展帆とクルーズ船の旅を体験できる最新のＶＲシアターを導入。横浜港の歴史や魅力がより一層分かりやすく紹介されている。「この素晴らしい内容を、一人でも多くの方に見てもらえたら」と言葉に力が入る。「博物館を含め、みなとみらい地区全体のにぎわいが戻るようにしていきたい」と前進へと舵を握る。