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瀬谷区 コラム

公開日:2023.09.21

ツリフネソウ 文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
瀬谷の生き物だより164

 秋の瀬谷市民の森を和泉川の源流に沿って散策していると、紅紫色の小さい花が目に入った。近寄るとツリフネソウの花が幾つも見られた。

 本種はツリフネソウ科に属し、全国の山地や丘陵地に分布、川や沢等の水辺に自生し、しばしば群生する。草丈は50〜80cm、葉は10cmほどの楕円形で鋸歯がある。

 花期は8〜10月。花の長さは4cmほどの筒状で、3枚の花弁と3枚の萼(がく)から成る。上の萼2枚は小型で、下の萼1枚は大きく基部は管状に突き出し距となり、先端がくるっと巻いていて、中には蜜が分泌されている。萼は下半分が白くなっており、花の中に入ったハチやアブが明るい方へ進むと蜜にたどり着ける仕組みになっているとのことである。

 同じ仲間のホウセンカ同様、熟した果実に触れると種子が弾けるのでびっくりする。名前の由来は花が帆掛け船を吊り下げたような形をしていることと、吊るして使う舟形の花器に似ているからとの2説ある。

 秋の水辺を散策し、清々しい空気に触れながらこうした草花を楽しむのも一興である。

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