今年25周年を迎える戸塚駅東口ラピス商店会会長 北島 洋一さん 泉区在住 61歳
継続のための変化
○…2007年4月、戸塚駅東口ラピス商店会会長に就任。今年で25周年の節目を迎える。大店のモディを含め、ラピス1〜3ビル内の全81店が加盟する同商店会。路面店の「横のつながり」からなる商店会とは対照的な「縦のつながり」を、今後を担う若手に生かしてもらいたいとエールを送る。
○…ラピス1ビル2階に構えるホビー・バラエティショップ「キタヤダンク」は、創業54年。父親が戸塚駅西口に、おもちゃと模型の店を開いたのが始まりだ。大手チェーンが次々と参入してきたおもちゃ業界で、個店はいまや減少の一途。荒波を生き抜いてきた秘訣を問うと、「『継続』―。うちはこれに重きを置いた」と、きっぱり。まず、丸井(現・モディ)の良さをとことん吸収しようとラピスへの進出を決めた。子ども向けおもちゃに固執せず、ギフト用品や雑貨も扱い始めた。多店舗展開せず、店舗数や立地を変えてでも手堅い経営を貫いた。「変化を不便と感じたことはないね」。水泳選手が水の抵抗を極限まで減らし、しなやかに加速するように、いくつもの波を越えてきた。淡々とした口調から、商売人としての哲学が伝わってくる。
○…逗子市小坪の出身。戸塚へ越した中1の頃から強豪校で剣道に打ち込み、国体にも出場。「『上には上がいる』と素直に認める大切さ」を肌で学んだ。大学卒業後に建設会社で積んだ経理経験も、家業に入り、港南台の店舗でビル内商店会の発足に奮闘した経験も、すべて血となり肉となっている。「でも、俺は『懐かしい』って言葉はあんまり使わない。振り返ると『あの時ああすれば良かった』なんて後悔が出てくるから。そうだろ?」と微笑む。
○…息子は独立し、現在は両親、妻、娘と暮らす。読書は「一冊を何回も読む」熟考の人。「太田道灌に習って己の不明を知り、もっと勉強したいね」。胸ポケットに忍ばせた手帳には、心に響いた一節を、丁寧な字でびっしり書きとめてある。
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4月18日