さくらプラザで3月7日にコンサートを開催する一般社団法人ヴィア・ガレリア代表理事の 岡田 薫さん 青葉区在住 59歳
良質な音楽をあなたの街に
○…「質の高いクラシックを、地元で、そして安価で楽しめる仕組みを作ろう」。そんな思いで、コンサート「イタリア音楽の旅」を企画した。「平日午後の70分間、第一線の演奏家が登場し、音楽の歴史が辿れる内容。楽しんでいただけるはず」と力強い。新婚時に過ごした思い出の地・戸塚で旗を揚げる。
○…活動の原点は2009年。海外の有名なオペラが来日公演すると知り、数万円を支払い駆けつけた。しかしアンサンブルが揃わず何とも期待はずれな内容。「ショックだった。『高額だから良いもの』という前提が崩れた」と振り返る。それから3年後、「情熱がハートに響く演奏」と出会う。アマチュアの管弦楽団で、価格は1000円だった。「著名な演奏家と無名の演奏家を分けるものは何だろう」という疑問にぶち当たったという。「たった一度のコンテストで優勝できなかっただけで、日の目を見ない人が多い。でも1位と2位に、どれほどの実力差があるというのか」。埋もれている才能や音大出身者にもっと活躍の場を――活動にはそんな想いも込めている。
○…東京都生まれ。父が数百枚規模のレコードコレクターで、兄も演奏家。自身も大学の頃に楽器を手に取ったこともあったが、総合商社に入社後は海外勤務も多く、音楽から遠ざかっていたという。転機は12年に見つかった肺がん。手術を受け麻酔から覚めたとき、最初に浮かんだのが「音楽を聴きたい」という思いだった。「やっぱり音楽が好きだ」と感じたという。終業後や休日を中心に演奏家や業界の識者との交流を始め、一歩ずつ、「第二の人生」ともいうべき企画団体の発足へ歩を進めていった。
○…「奥が深い。聴くたびに新しい発見がある」とクラシックの魅力を語る。憂うのは、愛聴者の減少だ。「将来は、才能のある音楽家を招き、小中学生向けの鑑賞会を地元で行う仕組みが作れるといい」。目を輝かせ夢を語ってくれた。
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4月18日