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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2017.11.02

「えひめ国体 サッカー・少年男子」で優勝した神奈川県代表のメンバー
小倉 陽太(ひなた)さん
舞岡高校1年生 16歳

60分の出場を成長の糧に

 ○…先月、愛媛県で開かれた国体「サッカー競技・少年男子」(15歳・16歳)で優勝した神奈川県代表チームのミッドフィルダーとしてチームに貢献した。「スタメンにはなれず、大会4試合で正味グラウンドに立てたのは60分間だけ。この悔しさを忘れず、次に生かしてやろうと心に誓いました」。物静かな雰囲気からはかけ離れた、意志の強さを垣間見せる。

 ○…国体代表に選ばれたのは中学3年生の夏。所属する横浜FCのコーチから突然「決まったよ」と告げられたという。さらに絞り込まれ、最終的に残ったのは僅か16人だった。しかし、チームメイトは優秀な選手ばかり。ポジションを奪い合ったのも、日本代表選手だった。結果、国体では途中出場が多くなる。そんな中、記憶に刻まれる試合になったのが準決勝の大阪府戦。1対0で迎えた後半終了間際の5分間、フィールドを駆け回った。「命がけだった。ホイッスルが鳴ったときは『やり切った』と思いました」と笑顔を見せる。

 ○…幼稚園からサッカーを始め、小学校高学年時には周囲から一目置かれる存在に。中学から横浜FCに加入。ここで初めて挫折を経験する。「小学校とはレベルが違った。皆うまいんです」。ケガも重なり、急激にサッカーへの熱が冷めていく。危機を救ったのが付きっきりで指導してくれたコーチ陣だった。そこから背筋がピンと伸びたようにサッカーに取り組む姿勢が変化する。「以来、自分で物事を考えるようになった。気付くと飛躍的に技術が上がっていました」

 ○…舞岡高校はチームの先輩の勧めで入学した。「先生もクラスメイトも皆穏やか。楽しく過ごしています」。卒業後は大学に進学し、まず、日本でプロ選手として認知されることを目指す。その先に夢見るのがドイツでのプレーだ。「国体の60分間だけの出場を、今後の成長の燃料とする。まだまだレベルアップできます」。きっぱりと言い切った。

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