多世代型住宅「戸塚の里」責任者で、地域との共同イベントを初開催する 平山 みつ子さん 汲沢在住 64歳
目標は「おせっかい大家さん」
○…20代から90代の住人が、交流や見守りをし合いながら暮らす集合住宅「戸塚の里」。このほど地域の団体と共同で、交流イベントを初開催する。「支えてくれた地域への感謝を込めて、多くの人が楽しめる場にしたい」と意気込む。
○…核家族や独居高齢者が多くなる中、隣近所が協力し合う「長屋」のような場所を作ろうと、この住宅を立ち上げた。住人は、その方針に共感した若い夫婦や、単身高齢者など様々。一人暮らしに不安を感じていたある若者は、気軽に相談し合える関係を結べたという。住宅内には誰でも利用できる食堂も設置し、交流の輪を広げている。経営面での苦労もあるが、「昔からやりたかったことだったので、楽しい。おせっかいな大家さんでいたいの」とチャーミングな笑顔をさらにほころばせる。
○…青森県の実家では父が肉屋を経営。手伝いをした経験が、現在の事業経営にもつながっているという。同住宅の運営母体「企業組合労協センター事業団」に入ったのは約20年前。子育てがひと段落し「何か資格を取りたい」と思っていた頃、自宅の郵便受けに同団体が主催するヘルパー講座の案内チラシが入っていた。「他の案内が入っていたらそっちを選んだ。本当にたまたま」という。その後、受講した仲間とともに訪問・通所介護などを行う組織を発足。所長も務め、利用者の声をたくさん聴く中で、多世代型住宅の必要性を感じるようになった。「事情があって高齢者住宅に住めない人もいる。戸塚の里が、新しい形の”終(つい)の棲家(すみか)”になれば」と期待を込める。
○…12年前に夫を亡くし、本当の孤独感を知り、同時に仲間や知人の大切さ知ったという。子どもが巣立ち、一人暮らしの自宅は寂しいが、だからこそ「大家さん」でいることにやりがいを感じる。「おかげさまで1周年。イベントを機に、もっと地域に親しまれて交流が広がるような場所にしていきたい」
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4月18日