野村證券戸塚支店
｢変化に、野村という選択肢を｡｣
専門家にインフレ対策　聞く

インフレを語る切通さん

　日本経済はバブル崩壊後、約30年にわたりデフレ傾向で推移してきたが、一転、昨今はモノの値段の高騰＝インフレの兆しが見え始めている。しかし給与は上がらず、金利は低い--。本紙では、証券市場を通じた資産運用に長く携わってきた『野村證券戸塚支店』の切通洋平さんに、インフレ発生の要因、その状況下での生活・資産の守り方などを聞いた。

　--インフレが起こり始めている要因は。

　「１つはコロナ禍の影響。諸外国で感染拡大後、行動制限がかけられましたが、時間の経過と共に制限が解け、人・モノの動きが活発化しています。結果、車や半導体などあらゆる分野で需要が拡大し、モノの供給が追い付いていません。もう１つはロシアによるウクライナ侵攻。ロシアは欧州などへの石油、天然ガスなどの供給元ですが、経済制裁やロシアの戦略などで供給に支障が出ています。

　つまりコロナ禍による需要と供給のバランスの乱れ、天然資源のひっ迫。２つの要素が直接的に物価を押し上げ、インフレを引き起こしているのでしょう」

　--インフレをもう少し教えてください。

　「インフレは『ディマンドプル型』（モノがよく売れた結果、モノの値段が上がる『良いインフレ』）と、『コストプッシュ型』（モノのコストが上昇し、モノの値段が上がる『悪いインフレ』）の２つに分けて考える必要があります。結論からいうといま日本は、『悪いインフレ』に陥っています。

　日本は高度経済成長期は『良いインフレ』でした。物価上昇に対して所得も上がっていたのです。しかし、今は違う」

--悪いインフレはなぜ起こるのですか。

　「我が国の貿易赤字拡大と内外の金利差拡大に伴う円安進行。そこに、コロナ禍と戦争による原材料費の値上がりが重なり、モノの値段が上がってしまいました。悪いインフレの場合、皆さん節約をするのであまりモノが売れなくなります。これが企業の業績に直結し、給与は上がらない、しかし物価は上がる。悪循環です」

現状知ることが重要

　--どのような対策が必要ですか。

　「まず、現状を冷静に認識すること。その上でご自身・ご家族の生活・資産はこのままで大丈夫か点検をすることです」

　--野村證券ができることはありますか。

　「私たちはお客様の『伴走』者でありたいと考えています。お客様の資産状況はさまざま。状況をお聞きし、しっかり相談に乗らせていただきます。難しい時代ですが、今起き始めているインフレに対して、お客様の豊かな未来を守るため、一緒に最適解を見つけ出したいと思っています。インフレという変化に、野村という選択肢を選んでもらえるような伴走者でありたいですね」