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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2025.02.06

40周年を迎えた横浜市戸塚弓友会の会長を務める
伊藤 律郎(のりお)さん
戸塚町在住 67歳

日々の中に「弓」引く緊張感

 ○...戸塚スポーツセンターが開設し、遊水池の有効活用として弓道場が併設された1984年。弓道に親しむ戸塚弓友会も発足し、今年度40周年を迎えた。会員数は近年増加傾向で、10代から90代まで200人を超す。駅から近く、夜の時間帯も弓道ができる環境は市内でも珍しいが、「みなさんが良い雰囲気を作ってくれているから、新しい人が入ってきてくれる」と笑顔で語る。

 ○...栃木県大田原市出身。弓の名手として歴史に名を残す「那須与一」の出生地だ。弓道は盛んで「祖父が道具を持っていたから」と中学から始めた。高校時代にはインターハイ出場を果たし、大学でも主将を務めた。社会人になって離れていたが、アテネ五輪のアーチェリーで山本博選手がメダルを獲得したことが刺激に。自身も挑戦したが、「自分には弓道の方が合ってるな」とスポセンに通い始めた。

 ○...現在は錬士六段。的に当たるかどうかだけでなく、「気持ちや呼吸も澄んでいるか。よい『射』ができることの方が価値がある」と語る。「大人になって緊張する場面っていうのは、そうない。矢を放つ瞬間にはそういう魅力もある」。一方、会の普段の雰囲気は幅広い世代が和気あいあいとしている。「弓道は生涯競技。学生時代の経験者がそのまま続けられるような環境を整えられたら」。若者たちを温かく見守ってきた。

 ○...戸塚弓友会の活動が活発な一方、市内弓道場は9カ所だけで、弓道愛好家が増加する中では環境が十分に整っているとはいえないと指摘する。横浜市弓道協会の会長としての立場もあり、念願の一つは「市内に弓道場を新設すること」という。「いずれは横浜市内で全国大会を」――。そんな思いも胸に後進の育成を続ける。

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