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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2025.07.31

子ども向けに日英バイリンガル落語を披露するアマチュア落語家
白雪亭 りんごさん(本名:冠木友紀子)
汲沢町在住 55歳

世界をひろげる「想像力」

 ○…交流広場とつかのイベントの一部として8月4日、日本語・英語の「バイリンガル落語」を小中学生向けに披露する。英語嫌いな子どもが増えていることを危惧し「英語に親しんでほしい」と願う。基本は日本語でネタを披露した後、同じ内容を英語で再演。「日本語で一回見ると、情景になって記憶に残る。そうすると英語でも理解できるんです」。当日に備え稽古の日々だ。

 ○…哲学を勉強しようと入った大学で、英国へ短期留学。本場の英語に「この響きを知っている」と運命を感じ、帰国後に英文学の授業を取ると、英詩や演劇など英語表現の魅力にハマった。「論文を書くのではなく、表現の粋を味わいたかった」と大学院修了後は学者ではなく、母校・フェリス女学院中学校・高等学校で英語教師に。当時は、教科書の内容を物語のように話してから、授業を始める独自の方法を取っていた。「大好きな母校で授業ができてやりがいがあった」

 ○…30歳で母校を離れてキャリアを築こうと動き出し、同じころ結婚もした。しかし新天地では、不当な理由で職を追われ「うつのような状態。毎日泣いていた」と振り返る。心を救ったのは、偶然通い始めた通訳教室。集中している間は「後悔も不安もぴたっと止んだ」。以来、通訳者として現役で活動し、個人で教室も経営する。

 ○…長年親しんだ落語が「通訳に重要と気づいた。話す内容の景色や人物を想像しきって、相手にも伝えられる技術」。昨年から月に1度、プロの指導を受けて芸を磨いている。現在は、落語を通して英語を学べる教室開校に向け準備を進めている。「心の幅がぐっと広がる。セラピーですね」と語るほど大好きな落語と英語で、新たな未来を創造する。

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