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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2025.10.16

粘土で花などを作る「クレイクラフト」の教室を長年続ける
瀧 榮美子さん
戸塚区矢部町在住 81歳

生花のやさしさを求めて

 ○…柔らかい粘土を使って、生花と見まごうような作品に仕上げる「クレイクラフト」。矢部町の自宅で長年教室を開き、中田駅近くの美容室「カトルセゾン」では2年に1回のペースで生徒と共に作品展を続ける。手がけるのは花だけでなく、花瓶や人形などさまざま。「いくら続けても尽きない。道に咲くタンポポも目に留まればすぐ作りたくなっちゃうから」と目を輝かせる。

 ○…長崎県出身。海の近い「田舎で育った」という。20歳をすぎて上京し、結婚を機に横浜へ。ぜん息に悩んだため、自然が多かった戸塚に移り住んだ。「今はすっかり変わったけど、家はぽつんぽつんとあるだけだった」。次男の子育ての手が離れ、趣味を探していたところに戸塚郵便局でクレイクラフトの作品展に出会った。そこから週3回教室に通い、指導者の資格も取得した。

 ○…60歳を前に、自宅で教室をスタート。実は当初、シルバーアクセサリーづくりの講師もしていたが「家に飾ってある粘土の花やインテリアの方を気に入る人の方が多くて」。生徒はのべ100人に迫る。「人が嫌いじゃないから、おしゃべりしながらの教室は楽しい」。生徒の前で実技をして見せることも少なくなく、「口だけで教えるのはなかなか難しいからね」と優しく笑む。

 ○…「生の花って、どれも優しい。葉一枚とってみても」。どの花も世界に一つ、花びらも一枚一枚同じものはない。その細部にこだわり、作品を追求してきた。1年以上を要するものも少なくないが、一方で頼まれたら断れず、依頼を受けて写真から立体に仕上げることもある。「たまに花を発明しちゃうこともある。けど、世界のどこかにはあるかもね」。その笑顔には、美しさを愛おしむ心の素直さが光る。

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