戸塚区・泉区 ピックアップ(PR)
公開日:2025.10.30
あの頃の泉区、これからの泉区 vol.2〜2026年泉区制40周年〜 #住むなら泉区
子どもを「応援」できる町に
清水純也さん(泉ヶ丘幼稚園・園長)
遊んで帰ってくると、近所のおばさんがいつも「おかえり」と声をかけてくれた――。「つい『ただいま』って返してたけど、自分の家じゃないので不思議な気持ちもありました。でもそんな、人と人とがつながっていることが泉区らしい魅力じゃないですかね」
創立51年を迎える泉ヶ丘幼稚園の園長を務める清水純也さん(49)は中和田小、泉が丘中の出身。子どもの頃は泉区の自然にふれて育った。
イナゴやザリガニ捕り
「家の目の前が田んぼだったので、友達とイナゴを捕まえて。フライパンで炒って食べてみたりもしました」
今のゆめが丘のあたりに、当時は沼のような池のような場所があり、ザリガニ釣りのために子どもたちが集ったという。
「まだ環状4号線は砂利道だったような。ダンプがたくさん走っていて怖かったですが、ザリガニを求めて横断して行ってました」
そのゆめが丘には昨年、大型商業施設「ソラトス」も完成。週末は多くの家族連れでにぎわうなど、景色は大きく変わった。
「歩いて映画も見に行けるようになった。ただ泉区は、人間関係は変わらず『都会的』にならないでほしい。まちの人情や温かさは、いつまでもなくなってほしくない」
ケンカもしながら
父・隆男さんの跡を継いで園長を担う清水さん。子どもたちを見守る中で「ケンカの大切さ」を感じている。
「子どものうちにケンカを経験するのは大切なこと。しないと人の気持ちや痛みは分からないし、その中で考えを主張し合ったり、譲り合ったりも学んでいくと思う」
また現代は、安全・安心を重視しすぎるあまり、可能性を奪っていないかとの視点も大切にしている。「ついつい大人が先回りしてしまいがち。でも子どもたちは大人が思うより、うるさいことを言わなくても、しっかり考えられる」
大人のルールを押し付けるのではなく、「例えば自由に遊べる森を、子どもたちに任せてみるなんていうのも面白いはず。ルールも子どもたちが考えて。大人の役割は、子どもがやりたいことを応援すること」
時代に合わせて
園長のほか、横浜市幼稚園協会の会長や政令指定都市私立幼稚園団体協議会の副会長も担い、時代に合った幼稚園のあり方にも思いを馳せる。
泉ヶ丘幼稚園も2006年に預かり保育を開始、園舎を建て替えて18年には「認定こども園」として歩みだすなど、この40年の間に変化している。一方で「幼稚園を巡る制度は古いままのものもある。子どもたちを支える先生たちの処遇改善の意味でも、声を上げていく必要がある」。
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