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戸塚区・泉区 社会

公開日:2025.12.18

あの頃の泉区、これからの泉区 vol.4〜2026年泉区制40周年〜 #住むなら泉区
町の良さに気づける感度を
伊藤有壱さん((有)アイトゥーン代表)

  • 伊藤有壱さん(63歳)…東中田小、中田中出身。東京藝大卒業後、CG制作や特殊撮影の会社を経て独立。中区で(有)アイトゥーンを営み、アニメディレクターとしてEテレ「ニャッキ!」などを手がける。

 泉区制20周年(2006年)の時に誕生した泉区のマスコットキャラクター「いっずん」。泉区を象徴する「水」「緑」「あやめ」がモチーフになっており、その愛らしさから今では多くの区民に親しまれている。

 いっずんは公募作品をもとに、アニメディレクターなどで活躍する伊藤有壱さん(63)がイラストとして仕上げた。「原案は配色まで泉区らしさが考えられた作品で、まさにベストワンでした。原作者の意図を汲みつつ仕上げに携わりましたが、楽しい仕事でしたね」と振り返る。

 そのいっずんを用いた40周年のロゴマークが公募の中から決まり、11月3日の泉区民ふれあいまつりでお披露目された。イラスト化は今回も伊藤さんに依頼された。

里山から学び

 アニメディレクターとしてさまざまなミュージックビデオやテレビCMを手がけてきた伊藤さん。特にEテレのアニメ「ニャッキ!」は1995年の放送開始から30周年を数える人気作に。また横浜市の花と緑をPRするために生まれた「ガーデンベア」も伊藤さんの作品だ。

 そんな伊藤さんは5歳の頃に都内から泉区(当時は戸塚区)に移り住んだという。「あの頃は町に新しい移住者が増えてきた頃で、町内会の活動がとても盛んだったのを覚えています」

 近隣には農家が多く、スイカ狩りや芋掘りイベントもあり、自然も豊かだった。「都内から引っ越したのでとても楽しかった。タヌキや大きなヘビを見かけたり、夜はカエルの声が聞こえたり。多くのことを里山に学びました」

 印象に残るのが自宅の最寄りだった弥生台駅までの道。自転車を漕いで尾根の道を颯爽と進む――。その後の住宅街の造成で景色はすっかり変わり、「僕が漕いでいたのは、今でいうと空中ですね」と伊藤さん。少しさみしさもあるが、自分の過ごした時間へのオマージュとして創った短編アニメ作品は、国際アニメ映画祭で入選し、作家の道にも繋がった。

「作家と職人の両立」

 伊藤さんは「どちらかといえばストーリーで表現したいというより、視覚体験から感じ取ってもらいたいというタイプ」と自身を表する。「いっずん」制作時のように、依頼を受けて職人的に仕事に向き合うこともあれば、オリジナル作品を作家として制作することも大事にしている。

 独立後、事務所とともに活動拠点を横浜に移した伊藤さん。「横浜に感じていた人や家族や町との縁に惹かれて、ここで生きて作り続けようと思った。泉区には豊かな自然も残っているので、ぜひアンテナを立てて、町の好きなところ、良いところ探しをしてみて欲しいなと思いますね」

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