高校軟式野球の第53回秋季関東大会で初優勝を果たした横浜隼人高校のエース 酒井 友輔さん 公田町在住 2年生
返り咲いた背番号「1」
○…黒縁メガネに小柄な体格―。一見、「球児」には見えない。しかし、その左腕から放られる球は次々と打者を翻弄していった。引き分け再試合を含む5試合を投手2本柱の一人として投げ抜き、初の関東大会優勝を手にした。「秋季大会で勝っただけではチームは完成されてない。春と夏も勝ちたい」と、さらに上を見据える。
○…1年生の途中から軟式野球部に入部し、主力として投げてきたが、調子を崩したことで、投手2本柱の片割れで、同じ誕生日のライバル・山崎修史選手にその座を奪われた。悔しさと辛さから「辞めたい」と口にしたこともある。しかし、コーチらの励ましを受け、再び練習に専念。冬場に走り込んで安定感をつけた。そして秋季大会を前に再び手にした背番号「1」。「嬉しかった」と白い歯をみせる。
○…得意の変化球を生かし、1試合平均10三振を奪った今大会。早大学院との決勝では、ピンチでも踏ん張る粘りの投球で延長15回196球を投げ、引き分け再試合に持ち込んだが、「練習試合と同じように自分のペースで楽しめた。プレッシャーや疲れはなかった」ときっぱり。「みんなで楽しくできた」ことが印象に残っているという。
○…栄区の少年野球チーム「通り町イーグルス」に所属し、野球を始めたのは小学3年生の時。「監督が厳しかった。グラウンドから出されてお説教されたこともある」と苦笑い。「『あいさつをきちんとする』などの人間性はこの時に学んだと思う」と当時の教えが今に生きている。
○…文系ながら得意科目は数学。授業が分かりやすく生徒にも好かれていた中学のころの担任教諭に憧れ、将来は「数学か英語の教師になりたい」と話す。来年は受験勉強と部活の両立になるが、「夏までは部活に全力を注ぎつつ、現役で大学に合格したい」。春、夏の大会での優勝、受験合格を目標に挑戦は続く。