「里帰りを喜ぶ市民の会」の一員として、「里帰り桜」を栄区に植樹するために尽力した 小山 実さん 鍛冶ケ谷在住 64歳
10年後、この桜の下で
○…日米桜交流100周年を記念して昨年、米国ワシントンから日本に寄贈された桜の苗木は144本。そのうち「シドモア桜100周年里帰りを喜ぶ市民の会」が受け取ったのは3本。「ぜひ1本を栄区に」区や所属していた同会の他の会員に熱意を伝え、実現に漕ぎつけた。これまでさまざまな「ヨコハマ」の大型イベントに関わってきたが、「栄区とはほど遠い話」と痛感。「なんとか栄区も横浜のメーンイベントに関わってほしかった」その思いを提案書に込めた。
○…植樹を歓迎した区から「未来ある子どもに託したい」と要望を受け、本郷台小学校4年生との交流が始まった。昨秋には児童に日米桜交流や苗木が栄区に来ることになった経緯を説明。今年2月には学習発表会にも足を運び、植樹式の運営も任せた。現在も町内会役員やキャンドルナイト、横浜開港祭など10以上の活動に参加しているが「まさか小学生とつながりができるとは」と驚く。ボランティア活動は「家を飛び出る口実」と笑うが「人の出会いやつながりが面白い。今は第2の青春」と表情には充実感が溢れている。
○…写真を趣味にして20年以上。「腕は上がらないけど」と謙遜するが、区内の写真クラブに所属し、度々その作品を披露している。週に一度は市内や鎌倉に撮影に出かけ、風景を中心に撮る。「良いところを切り抜いて残せるからマイナス思考にならないのがいいね」
○…日本とほぼ同時期に満開を迎えるワシントンの桜。その姿を見ようと昨年、林市長ら50人と現地に行ったが開花が早く、残念ながら満開の桜を見ることはできなかった。「何年後かにまた行ってみたい」。駅前に植樹した桜の苗木が満開の花を付けるには10年の歳月を要する見込み。10年後は交流した児童がちょうど二十歳になる。「成人式の時に桜の下で出会えたら嬉しい」桜をきっかけに、人やまちが元気に成長することを強く望んでいる。