リリス開館15周年記念展覧会で約100人の写真を撮影した 今井 紀彰さん 市内在住 49歳
「それぞれの15年を」
○…「いろいろな人のストーリーや時間の継続性を感じた。大勢の写真を撮ったことはあるが、こんな企画は初めてで面白い」と、約100人の写真を撮影した感想を話す。「参加者同士が今回の展覧会をきっかけに、知り合いになってほしい」と期待を込める。
○…石川県金沢市出身。小学4年生の時、横浜に移り住んだ。現在は横浜を中心に写真家として撮影や作品制作、展覧会を行うほか、子どもたちを対象にした写真や美術のワークショップにも取り組む。2年前の震災の後は、福島などの被災地でもワークショップを実施。「テレビゲームではなく、子どもたちにとって何か栄養になる遊びができれば」。自身の専門を生かして、子どもたちのために活動している。「感動して表情がパッと明るくなると嬉しいよね」と自らも一緒に楽しむ。
○…高校生のときは「世界のことを知りたい」という想いから、弁護士を目指していた。しかし、ある日、雑誌でドイツ人作家の写真作品に出合う。その写真に惹かれ、大学受験では写真学科も受けてみることに。結局「合格した中で一番嬉しかった」という写真学科へ進んだ。当時は報道写真などが中心で、写真で作品を作ることは珍しかったが、「作品が作りたい」という想いをずっと貫いてきた。「写真は世界を知るための道具」と話す真剣なまなざしから、意志の強さを感じる。「(世界を)部分部分では見てきたが、世界を知りたいという気持ちは現在も変わらない。もっともっと知りたい」と好奇心は尽きない。
○…自らの15年前は「多くの写真を使って1つの作品を作るコラージュが面白いなと思い始めた時期」と振り返る。それからコラージュ作品を作り続け、キヤノン写真新世紀優秀賞などを受賞してきた。「今回の展覧会では写真に写っていない人も、それぞれの15年を考えてくれれば」。区民とともに15年を振り返り、今後も世界を知るために写真とともに歩んでいく。