横浜南共済病院は9月から、金沢区歯科医師会(松井伸道会長)とがん治療における連携を開始した。
これは口腔ケアをがん治療の前に導入することで、治療中の口腔内の合併症を予防・軽減し、がん患者のQOL(生活の質)を向上させることを目的としている。同院の歯科口腔外科部長の野原通医師は「口の中はとても細菌が多いところ。口腔・咽頭・食道などの手術の場合、口の中の細菌が原因で傷口から感染する場合があります」と話す。がん治療に伴う口腔合併症は、化学療法をうける患者の40%、強力な抗がん剤を大量に使う造血幹細胞移植患者の80%、口からのどの周囲に放射線をあてる頭頸部がん患者の100%に起こるとされている。
同病院ではがん治療を受ける患者全員に、術前に口腔ケアを行う重要性を説明。治療を始める前に区内のがん治療連携歯科医院を紹介し、口内環境を整えるように指導している。開始から2ヵ月で、すでに約20人の患者が連携歯科医院で口腔ケアを行ったという。
がん治療連携歯科医院とは、南共済病院と金沢区歯科医師会が主催したがん治療地域連携講習会を受講した歯科医師が在籍する医院のこと。6月に行われた講習会には、区内の歯科医師を中心に69人が参加し、安全ながん治療のための口腔ケアや歯科治療の知識、技術を学んだ。現在、区歯科医師会会員の約半数がこの講習会を受けて、がん治療担当医として認定されている。同講習会は12月にも開かれる予定だ。
こうした連携の取り組みは、県内では県立がんセンター(旭区)がすでに開始しているが、金沢区内では初めて。口腔ケアの推進は、がん拠点病院の認可を受ける際にも必要になっている。野原医師は、「これから、がん患者治療における歯科医師との連携が広がっていくことは間違いない」と話している。
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