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金沢区・磯子区 社会

公開日:2012.04.05

富岡東故・柴山さん
「いつか満開の桜の街に」
遺志継がれ桜木町に植樹

  • 植樹した桜に土入れする子どもたち

 「桜木町に鉄道が開通した当時、車窓から見える桜木川や伊勢山の桜がまるで一枚の絵のように美しかったという。そんな風景を取り戻したいんだ」-桜木町駅前に桜の植樹を続けてきた画家の柴山静穂さんが今年1月、闘病生活の末に亡くなった(享年69)。



 富岡東に住む柴山さんが桜の植樹を思い立ったのは2007年春。がんの大手術からの退院後、富岡総合公園の桜並木の美しさに心を癒され、「慣れ親しんだ桜木町を満開の桜で彩りたい」と思うようになった。植樹にかかる費用を負担しながら、画家仲間や友人に声を掛けて「桜木町に桜の木を植える会」を結成。3年越しでようやく横浜市の許可を得た10年、駅前の日本丸に続く横断歩道わきとバスターミナルの一角に2本のヨコハマヒザクラの植樹を行った。



 その後も活動を続け、次の植樹に向けて計画を進めていたが、昨年12月に再び病に倒れた。同会の佐倉幸子さんは「病床でも最後まで桜のことばかり気にしていた」と突然の死を悔やむ。



 同会では、柴山さんの遺志を継ぎ、3月29日に桜の植樹を行った。5本目の今回は、同駅が今年で開設140周年を迎えることから「汽車ポッポの桜」と名付けられた。式典では桜のそばに柴山さんの写真が飾られ、約100人の参加者が桜の成長と同氏への感謝を込めて土入れを行った。



 同駅の東根孝志駅長は「柴山さんからは『駅の新たなシンボルとして親しまれるような桜にしていきたい』と話を聞いていた。その想いを大切に、今後も皆さんと成長を見守っていきたい」と話した。

 

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