毎月一人のゲストを迎えて話を聞く「西柴夜話」が5月1日、行われた。主催はコミュニティーカフェ「さくら茶屋にししば」。今回は区内能見台に10年以上暮らしていたという作家の太田治子さんが登場し、太宰治を一途に愛した母・静子さんの並々ならぬ苦労や思い出を語った。会場となった西柴団地自治会館には、地域住民ら約70人が集まり、熱心に耳を傾けた。
静子さんは、太宰の代表作「斜陽」の素材となった日記を書いた人物だ。妻子ある太宰と恋に落ち、太田さんを出産。女手一つで育てあげた。
「愛人の子を産んで育てる苦労を身を持って知っているので、私は妻子ある人とは120%考えられなかった」という太田さん。病気や就職難、職場でのいじめなど静子さんの様々な苦労を「まさに美輪明宏さんの”ヨイトマケの唄”の世界」と表現。太宰側からの援助を一切受けずに外に出て働いていた母親への尊敬と感謝の念を口にした。さらに少子化についても、「日本が食い止めたいというのであれば、未婚の母を大切にする土壌を作るべき」と言及した。
現在、太田さんは二葉亭四迷を題材に執筆している。「ロシア文学が好きだった母の残した切り抜きが役立っている。仕事でも導いてくれている気がする」とにっこり。自分が親になって、はじめて母親の気持ちが分かるとも。「この世で私を一番理解している人。死んで30年くらいたつが、まだ近くにいる感じがする」と話した。
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