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金沢区・磯子区 社会

公開日:2019.02.14

亡夫の縁で本を寄贈
「チアかな」に岩室文庫を設置

  • 岩室文庫と阿久津さん

 昨年8月にオープンした手作り雑貨などを置くコミュニティースペース「チアかな」(金沢文庫駅徒歩1分)の一角に「岩室文庫」が設置されている。これらの本は昨年、ALSで亡くなった岩室禎和さん(享年79)の所蔵していたものだ。

 禎和さんとチアかな代表の阿久津佳子さん(57)は、2014年度に金沢区地域づくり大学校を一緒に受講した時からの付き合い。2年ほど前から禎和さんが寝たきりになった後も、メールや電話で連絡を取り合っていた。妻のちい子さん(77)はかねてから、「阿久津さんという若い人が一生懸命、活動しているんだよ」という話を禎和さんから聞いていたという。しかし昨年6月22日、阿久津さんがチアかなのオープンを知らせるメールを送ったところ、「昨日、亡くなった」と息子から連絡を受けたという。

 一方、チアかなのオープンをタウンニュースで知ったちい子さんは、早速、阿久津さんを訪問。手作りの品々を見て「世の中にはこんな器用な人が一杯いるんだと感動した」と振り返る。”何か協力をしたい”との思いから、禎和さんの残した地元関連本や県立金沢文庫の目録など約100冊を寄贈した。「捨てるのはもったいない。誰かが読んでくれれば何より」とちい子さん。書棚は金沢文庫にちなみ「岩室文庫」と命名された。

 今でもちい子さんは週1回、チアかなを訪れ店内の掃除を手伝う。阿久津さんは「禎和さんが繋いでくれた縁。モノはネットで売れる時代だけど、ここが皆がしゃべりにきて、縁をつないでいく場所になれれば」と話した。

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