金子さんの草花の不思議発見!第35回フヨウ 「芙蓉」はハス・スイレンを指す 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇
夏から秋に庭木として美しく咲く「フヨウ」(芙蓉・写真上)は、中国・琉球・九州に生育する落葉低木です。日本の庭園を彩るフヨウはほとんどが中国産で、中国四川省成都は「フヨウの都」として有名です。中国名「芙蓉」から日本名「フヨウ」がつけられました。
芙蓉はハス・スイレンの呼び名でしたが、ハスに匹敵する美しさから「木芙蓉」と呼ばれていました。また芙蓉は上品で、美しい容貌を形容するのに使われ、李白の詩の中にも「芙蓉如面 柳如眉」(顔は芙蓉のように、眉は柳のように美しい)と美人のたとえに詠まれています。日本でも富士山の美しい形容として「芙蓉峰」(ここでの芙蓉はハスを指す)と表現されています。
八重咲の品種である「スイフヨウ」(酔芙蓉・写真下)は、朝から夕方へと時間がたつにしたがって花の色が白色からピンクそして赤色へと変化していきます。江戸時代から栽培されている一日花で、花色の変化は、気温に大きく影響されます。気温が高くなると早く赤色に変色し、低いと白色は長く咲き続けます。尾形観山の絵画で、スイフヨウとテッポウユリとの組み合わせは有名です。
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