運営方針は区の取り組み、事業の方向性を示すもので、毎年この時期に各区が公表している。詳細は各区役所ホームページなどで確認できる。
磯子区ＩＣＴ活用、支えあいを推進コロナ対策を前提に
磯子区では「地域の皆さまとともにつくる笑顔あふれるまち・いそご」を基本目標に据える。
今年度は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて方針を策定した。感染症対策を前提にして各事業へ取り組み、状況に応じて適切な対策を講じていく。そのうえで「地域の力と魅力にあふれるまち」「ともに支えあう暮らしやすいまち」「安全・安心なまち」を３つの柱に、目標達成に向けた施策を進める。
「地域の力と魅力」では、地域活動がこれまで通りにできない状況を踏まえ、自治会町内会などの活動を支援して住みたい・住み続けたいまちの実現を目指す。新規事業として取り組むのが、「自治会町内会ＩＣＴ利活用支援」。コロナ禍で止まってしまった地域活動を「新しい生活様式」に対応させていくために、自治会町内会でのＩＣＴ（情報通信技術）活用を支援。昨年度は市が同様の事業に取り組んだが、今年度は区として独自に出張講座を行うほか、機器の購入などにかかる費用への補助も行っていく。
「ともに支えあう」では、地域での支えあいを継続するために、まずは「第４期磯子区地域福祉保健計画（スイッチＯＮ磯子）」の策定を進める。当初は昨年度に策定予定の同計画だが、感染症拡大の影響を受け、現在は素案の段階。区民らの意見も踏まえて計画を作り、誰もが幸せに暮らせるまちを目指した取り組みを推進する。
避難所の感染対策も
「安全・安心」では、災害時の避難所における感染症対策や、地域・学校・警察などと連携して安全・安心な暮らしに向けた事業を行う。「地域と一緒につくる防災・減災」として、区内にある全ての地域防災拠点に換気用のサーキュレーターと防護服を配備するほか、夏季の避難を想定してスポットクーラーも用意。各拠点に安心して避難できる環境を整える。また、磯子警察署を通じた迷惑電話防止機器の貸し出しを行い、特殊詐欺への対策にも取り組む。
猪俣宏幸区長は「コロナ禍の今だからこそ、皆さまの生活や健康、安全・安心を全力でお守りしなければならないと考えています。目標を実現するため、皆さまと一緒に地域課題に取り組んでまいります」と話す。
金沢区最重要に「安心の暮らし」「住み続けたいまち」目指して
金沢区は「地域の皆様と共に考える、挑戦する、つくる！〜訪れたい、住みたい、住み続けたいまち金沢を目指して〜」を基本目標に据えた。達成に向け、新規事業、継続事業ともに「新しい生活様式」を踏まえた施策を展開する。
柱となる方針は「安心して暮らせるまちづくり」「金沢の未来を創る！」「金沢の魅力をもっと発信！」「すくすく育て！かなざわっこ」「誰もが健康で生きがいを感じられる地域の実現！」の５つ。区の課題である少子高齢化、地域活性化、防災などに対応しつつ、魅力醸成・発信、健康づくり、つながり強化を図っていく。
最重要として掲げるのは「安心して暮らせるまちづくり」だ。コロナ禍での安全・安心の確保や地域コミュニティの維持、孤立化対策などに取り組む。地域の見守り活動が難しくなっている民生委員や高齢者に対しては、三密を避けてコミュニケーションを維持できるようＩＣＴ活用講座を開催。また、ＤＶ被害者への定期的な法律相談・心理相談、子育て応援講座なども実施していく。
「誰もが健康で〜」では、新型コロナの影響で１年延長した「第４期地域福祉保健計画」の策定に取り組む。住民と事業者、行政が協働し、地域の福祉保健に関する課題解決に取り組むことで、”支えあいのまちづくり”を目指す。また、新規事業の「健康かなざわ応援事業」も地域の健康づくり団体などと連携しながら推進する。
区局連携で人口減少対策
金沢区は18区の中でも人口減少と高齢化が顕著だ。そこでモデル地区として市の政策局と連携し、人口減少対策を検討していく。区の具体的な課題や魅力などのデータを地元大学の専門的な知見を活かしながら分析し、明確な方向性を打ち出していきたい考えだ。運営方針の柱となっている子育て施策や魅力発信事業、観光振興などと合わせて「住みたい、住み続けたい街」を目指していくという。
永井京子区長は「区長として昨年１年を過ごし、改めて金沢区の魅力や地域の皆様のつながりの強さ、重要性を実感しました。だからこそ、『住みたい、住み続けたいまち』の実現に向け、引き続き取り組んでいきます」と話した。
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