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公開日:2026.05.21
県立金沢文庫 離れた「今鏡」里帰りへ寄付を 700年越しの再会願う
現存する写本としては最古とされる金沢文庫本「今鏡」の一部を所蔵する神奈川県立金沢文庫=金沢区金沢町=は、新たにこれらと一体となる同書の一部が発見されたことを受け、貴重な史料を購入し、里帰りを目指すべく寄付を募っている。目標金額は購入費用として650万円。「こうした揃いの発見はまれで歴史的にも貴重。ぜひ協力を」と呼び掛けている。
同館は鎌倉時代に北条実時が創設し、称名寺に伝わる2万点を超す国宝を中心に所蔵、管理している。現存最古の武家文庫ともいわれ、中世の鎌倉文化を後世に伝える役割を担っている。
「今鏡」は「四鏡」といわれる歴史物語の一つ。主に平安時代中期の王朝文化が描かれている。金沢文庫本「今鏡」は現存する「今鏡」の中では最古の写本で、これまで8枚の断簡(文書の切れ端)のみ現存すると考えられていたが、17枚の断簡をまとめた一巻が新たに発見された。金沢文庫から散逸し、現在は京都の古書店が所蔵している。同書を買い戻し、「お里帰り」させるためにクラウドファンディングを2月から実施している。
金沢文庫本は写本の中でも本文の正確さに定評があり、価値が高いとされている。「当時の人たちにとっても超有名で、ブランド的な価値があったので、鎌倉幕府の滅亡とともに散逸し、様々な人の手に渡ったと考えられる」と学芸員の貫井裕恵さん。中でも金沢文庫本「今鏡」はオリジナルの「今鏡」の本文を復元するのにも重要な写本とする。散逸した文化財が残っていることが奇跡といい、「いろんな人の手を経て大切に守り続けられてきた片割れを、700年の時を経て出あわせたい」と話す。
目標金額は650万円
同館が文化財を購入するためにクラウドファンディングを実施するのは2023年の仏書「往生講私記」購入に次いで今回で2回目。貴重な文化財の国外流出を防ぐことも理由の一つとする。
目標金額は650万円で、募集期間は28年3月31日まで。納付書やふるさと納税による寄付を受け付けている。購入が実現した場合は「お里帰り展」を実施する予定。同館の2階には募金箱も置かれ、寄付することができる。
貫井さんは「金沢北条氏が平安時代の王朝文化に親しんでいたことを伝える貴重な書物。後世に伝えていくお力添えをいただければ」と語る。問い合わせは県立金沢文庫【電話】045・701・9069。
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