区の人権啓発活動の一環として磯子公会堂を会場に3月7日、講演会「ふまじめ介護・介護を通して、高齢者の人権を考える」が行われた。
当日は、実母、義母、義父と、3人の介護を経験した講談師・田辺鶴瑛さんが講師を務めた。
舞台に登場した田辺さんは、扇子で机を叩いてリズムを整えながら、講談を開始。最初に「今日は厳しく、不愉快な言葉もたくさん出てきますが、介護とはきれいごとだけではすまないもの。みなさんにそれをお伝えできれば」と前置きして、語り始めた。
講談らしい軽妙な語りで、自身の介護経験を説明。認知症となった義父の介護では、一晩の間に何度も助けを求めて大声をあげる義父に最初はストレスと疲労が溜まっていたという。そんな中、ある日ふと思い立ち、呼ばれた際に馬の被り物をして駆け付けて、義父を驚かせたエピソードを披露し、「それまでは毎晩起こされるのが苦痛だったのに、これ以降、逆に呼ばれるのが楽しみになった」と、ピースサイン。「介護はきれいごとじゃできないし、きれいごとでやらなくなったら長続きする。自分の嫌なところと否応なく向き合うことになるし、それが見えれば他人にも寛容になれる。どうぞ、そんな介護を楽しんでください」。
身振り手振りを交えながら、辛い経験も笑い話に昇華して語る田辺さんの話術に、会場からは何度も爆笑が沸き起こっていた。
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