区内ボランティア 大型絵本3冊を修理 読書イベントで利用へ
パシフィコ横浜(西区)で11月2日に開催される読書活動推進イベント「横浜読書百貨展」に向け、区内で本の修理に取り組むボランティア団体「本の修理いそご」(小野田真代表)が、イベント当日に読み聞かせされる大型絵本3冊の修理を行った。
この絵本は、縦120センチ、横84センチのA0サイズ。2010年に、市立みなと総合高校(中区)を中心とした中高、大学、専門学校生が、横浜で開催されるAPECに合わせ、参加する21の国と地域の昔話を市民に発表するために製作した。APEC後は同校に保管され、各地での読み聞かせに利用されていた。
プラスチックダンボールに手書きの挿絵を貼り付け、テープで綴じて作られている大型絵本。現在は9冊残っているが、製作から4年経ったことや何度も読み聞かせに利用されたことから、紙がはがれるなどの劣化が見られていた。
市内の草分け的存在
市では、市民の読書活動推進をめざす条例を今年4月から施行。11月を読書活動推進月間に定めている。「横浜読書百貨展」はその取り組みの一環で、市教育委員会の主催で行われる。イベントでは、世界の昔話や絵本を紹介する企画があり、大型絵本の読み聞かせもその中に盛り込まれた。
イベントを前に、本格的な修理が必要だったところ、区内で10年にわたり地域の本の修理を行っているボランティア団体「本の修理いそご」が、磯子図書館を通じて修理を引き受けた。
本の修理の分野で市内でも草分け的な存在である同会。大型絵本は普通の本と素材や構造が異なるが、長年の経験を活かした試行錯誤の後、独自の修理方法を考案した。背表紙は絨毯用の両面テープで留め、その上から製本用布テープで固定。はがれていた挿絵も、透明のカバーテープで貼り直した。メンバーは「これで簡単に壊れることはない」と話している。
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