市内唯一の防災学習施設「横浜市民防災センター」が4月1日、リニューアルオープンした。市はセンターを市民理解度3割を切る「自助・共助」を学ぶ中核拠点と位置付け、市民の防災意識向上に繋げたいとする。
展示型から体験型へ
市民防災センター=神奈川区沢渡=は1983年に開設された。施設の改修は95年以来2度目。
予算約7億9千万円を掛けた今回の改修の目玉は「自助・共助」について学ぶエリアが新たに設けられたこと。映像や照明、音響を組み合わせ横浜に起こりうる災害を表現した「災害シアター」など映像コンテンツを大幅に増やし、展示型から体験型の施設へと変貌。火災消火や煙体験のほか、東日本大震災の揺れも体験できる地震シミュレーターは日本最大級を誇る。
市民理解度向上図る
自助とは家庭で日頃から災害に備え自分の身を自分で守ること、共助は地域での助け合いを指す。東日本大震災の様な大規模災害時の「公助の限界」が明らかになるとともに、自助・共助の重要性が増している。
しかし、市が昨年市民を対象に行ったアンケートでは「自助・共助」について「聞いたことがない」という回答が5割を超え、「聞いたことがあるが、意味は知らない」を含めると7割を超えた。市の担当者は「これまで全戸配布の防災冊子など様々に啓発を促してきた経緯があるので、この結果は衝撃的だった」と話す。
総務局危機管理室は16年度予算に3億2350万円を計上し、市民の自助・共助のさらなる推進を図る。その中核施設となるのが防災センターで、地域の防災担い手の育成や、子どもの防災教育に役立てていきたいとしている。人口372万人都市の横浜で防災センターが1カ所でよいのかという意見には「予算の限度もあるので、防災センターを拠点に、各消防署とも連携して推進をめざしていきたい」とする。
来場者目標は10万人
年間目標来場者数は10万人。改修前の4万人から倍増をめざすが、課題は施設の周知。市では民間企業にも協力を募り、「一人でも多くの方に来館いただき、自助・共助の重要性を知ってほしい」としている。
磯子区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|