令和4年度花き春季持寄品評会で最優秀の横浜市長賞に選ばれた 矢島 康弘さん 栄区田谷町在住 58歳
「当たり前」を「当たり前」に
○…横浜農業協同組合が主催する花の品評会で、育てたペチュニアが最優秀賞に輝いた。113点の作品の中から見事に首位を射止めたものの、「この商売は天気との戦いだから、同じことをやっても結果は違う。毎年1年生のつもりでやっているよ」と謙虚にほほ笑む。
○…栄区の農家に生まれた長男坊。幼少の頃から花に興味を持ち、道端で発見した花の名前を調べていた花博士だ。「畑の管理を将来どうするのか」と大学卒業後はJA横浜に就職。仕事で花農家に接するうちに「自分でもやってみたい」と一念発起し25歳で退職した。「不安と期待が入り交じってすべてが新鮮だった」。磯子区の農家で1年間の修行を積んだのち、両親の土地を借りて、念願の「矢島花園」をスタートさせた。
○…1990年の開業から今年で32年目を迎えるが、順風満帆とはいかず幾多の試練を乗り越えてきた。市場からの「売り物にならない」の言葉で、丹精込めて育てた花を泣く泣く捨てたことも。3年前には台風に見舞われてビニールハウスの骨組みがゆがんで半壊し、停電にも遭った。それでも「お客さんがうちで買った苗から咲いた花の写真を見せてくれたりするのは本当にうれしい。励みになる」と花を愛でてきた。
○…趣味は妻との晩酌で最近は日本酒がお気に入り。日々の仕事はほぼ2人だけでこなしており「奥さんがいないと成り立たない。本当に感謝している」と照れくさそうにはにかむ。現在は「お客さんを飽きさせず自分も飽きないため」と、育てたことのない花の販売にも意欲的。「慣れてきて手を抜くと、出来上がるものもそれなりの仕上がりになる。大事なのは、当たり前のことを当たり前にやること」
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