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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2023.11.23

第55回技能コンクール畳製作で神奈川県知事賞を受賞した
加藤 恵(けい)さん
港南区日野在勤 43歳

終わりなき世界で技磨く

 ○…県内の中堅職人が集まり、技術を競う技能コンクール。その畳製作部門で1位である県知事賞に輝いた。3時間以内に2枚のゴザを、織る必要があり、正確性とスピードが求められる。昨年は共に働く兄が県知事賞を受賞。「重圧あった」というが初出場での栄光となった。また今年、技能検定1級も取得し「畳への理解が深まった1年」と振り返る。

 ○…祖父の代から続く加藤畳店に次男として生まれた。そのため、畳は身近な存在。子どもの頃は、い草でほうきを作って遊んだという。畳職人になったのは、大学卒業の2年後。「いつかは」と漠然と思いつつも一般企業で働いていたが、父から「戻ってこないか」と言われ決断した。「昔から見ていたからできると思ったが、やると難しかった」とはじめは苦労。しかし、父や兄の指導の下、一人前に成長した。

 ○…中学から大学までテニス部に所属。大学時代には理工学部系の関東大会でベスト4に入ったほどの腕前だ。「どうしたらよい打球になるか」と中学時代から試行錯誤に明け暮れた経験が畳技術の取得にも生きた。「成功と失敗を繰り返してきた。頭が良くないから、体で覚えるしかない」と謙遜するが、その過程から身に着けた技術は本物だ。

 ○…職業指導員の資格取得にも意欲を見せる。後進指導に興味を持ったきっかけは他店の職人に「教えると自分も気づくことがある」と言われたことから。「教えるには自分も勉強や練習をしなくてはならない」と話すように、一人前となった現在でも学ぶ気持ちを持つ。「技術向上は終わりのない世界。辛さもあるが、引退する時、自分がどうなっているのか楽しみ」と少し照れながら語った。

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