自閉症の双子に関する本を出版した 長谷川 桂子さん 笠間在住 59歳
愛する双子の伴走者
○…自閉症の双子との日々を記したブログを継続して20年。それらをまとめた書籍を昨年末に完成させた。「本を渡してから夫が2日で読み切って、感動していたのが印象に残っている」と笑みを浮かべる。「言葉の力を信じている。本やブログなどを通して障害児やその両親を応援したい」。熱い信条を示す。
○…2002年に男女の双子を出産した。1歳半頃、息子に発語が見られないことから、診察を受け、自閉症と診断。当初は健常者と違う道を歩まざるを得ない息子の人生に絶望したが、幼児訓練会での姿を見て、気持ちを切り替える。「人の話を落ち着いて聞けるようになった。成長を実感するとともに、その様子を記録しよう」。その思いがブログ開設のきっかけに。しかし10数年後、娘が中学3年の時に「知的障害のない自閉症」と診断される。成績の不振などで「もしや」と感じていた不安が現実になる瞬間だった。
○…「自閉症でも強みを自覚して生きている人たちはいるはず。娘の本質は変わらない」。障害を受け止め、悩みや不安に耳を傾けて、頭の整理をするサポートに努めた。「息子よりも不安を抱えがちな娘は、接し方が難しかった」が、それぞれの特徴を再認識したうえで「知的には問題はないので、お金の管理など生きるために必要な知識を伝え続けた」と将来を見据えた接し方に徹した。
○…学生時代から読書好き。大学生の時には童話を執筆したことも。「思いを文章にするのが好きなので、ブログも楽しく続けられた」とほほ笑む。双子は22歳となり、現在は障害者支援の事業所に通う。「課題はあるけど、これからも愛する家族たちに伴走するのみ」と一丸となって歩む決意を示した。
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