終戦直後、中区をはじめとした横浜の中心市街地の多くは米軍に接収されていた。そんな「占領軍がいた街」から再出発した横浜の歴史を中区制90周年の節目に感じてもらおうと、中図書館=中区本牧原16の1=では接収時代の横浜の写真を集めた展示を本日12日から10月30日まで、同館2階の会議室で行う。
展示のタイトルは「占領軍のいた街―戦後横浜の出発」。2012年に市史資料室が行った同様の展示をベースに、区制90周年に合わせて中区内の写真を中心に再構成した。
展示写真はA3サイズの50点。1945年の終戦直後から50年代半ばまでの約10年間を対象としている。米国国立公文書館所蔵の複製写真や個人からの提供など、同資料室が所蔵している写真から選んだ。
終戦直後、厚木飛行場に降り立ったGHQのマッカーサー総司令官がホテルニューグランドに入る様子や、焼け跡の中にバラックがまばらに建つ関内方面の様子、50年代前半に入り街並みが再整備されてきた頃の伊勢佐木町などの写真を見ることができる。
中図書館の島田和久館長(60)は「本牧にあった米軍の住宅など、我々世代には実体験として記憶に残っているが、最近横浜に来た人は接収の歴史を知らない人も多い。展示を通じて、区制90周年の節目に自分たちのまちの歴史を知ってもらえれば」と企画の意図を説明する。
会期中の10月15日には、市史資料室の職員が講師となり各写真の説明や時代背景の解説を行う。午後2時からと3時からの2回制で、定員は各回10人。申込みは不要。詳細は中図書館【電話】045・621・6621へ。
区民祭りで先行展示
開催に先立ち、10月8日に横浜公園などで行われた中区民祭り「ハローよこはま」では、中図書館もブースを出展。接収時代「ルー・ゲーリック球場」と名称を変えていた横浜公園球場(現・横浜スタジアム)をはじめ、関内周辺の写真など10点近くを今回の写真展から先行展示した。
本牧から訪れた沼田庄司さん(85)は進駐軍が電信柱を整備する写真を見ながら「この頃は13歳でした。良く覚えていますよ」と感慨深げに眺めていた。
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