1年かけて行われた神奈川県立音楽堂=西区紅葉ヶ丘9の2=の改修工事がこのほど完了し、6月1日にリニューアルオープンする。外観や内観の意匠はそのままに、空調や給排水、照明などの設備面において省エネ化や快適性の向上など時代のニーズに合わせた改修が行われた。
県立音楽堂は1954年に竣工。同年、日本建築学会賞を受賞し、国際組織からの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築20選」(99年)に選定されるなど、国内外から高い評価を得ている建築文化遺産だ。今年で開館65周年を迎える。管理運営は(公財)神奈川芸術文化財団が行う。
計画に際し、当時の内山岩太郎県知事の「戦後復興にむけて人々が落ち着いて音楽を楽しみ、明日への力を養う場が必要」との強い思いから、図書館に併設する形での整備が決定。設計は日本を代表する建築家の一人、前川國男が手がけた。
公立施設として日本初の本格的な音楽専門ホールであり、木材がふんだんに使用された「木のホール」として知られる。開館当初は「東洋一の響き」と言われた。
その文化的価値の高い音楽堂を保存・継承していくために、今回の改修では設備面での改修が中心となった。外観の佇まいとホワイエ・ホール内の内装、ホールの響きの保存継承を大前提として、空調や給排水の快適化、効率化、照明のLED化、ホール内の舞台や壁面の傷んだ木材の補修などが行われた。
5月24日に開かれた内覧会で永井健一館長は「歴史を伝え、より多くの人に音楽を届けていきたい」と音楽堂の使命を話していた。開館65周年を記念し、室内オペラ・プロジェクト(来年1〜3月)など複数の主催公演が企画されている。
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