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中区・西区・南区 社会

公開日:2020.09.24

防犯インタビュー
地域との連携が鍵
特殊詐欺防止に意識啓発

  • 迷惑電話防止機器を手に説明する伊勢佐木警察署の川瀨 伸二署長

 高齢者を中心に被害が発生している「特殊詐欺」。個人の預貯金などをだまし取るこの卑劣な犯罪行為はいまだになくならない。次から次へと新たな手口が発生するが、警察と地域が連携し防犯意識を高めることが重要だ。今回、中区・西区内にある5警察署を代表して、伊勢佐木警察署の川瀨伸二署長にインタビューを行った。



 ――伊勢佐木署管内の治安状況はいかがでしょうか。



 「伊勢佐木町、福富町などを中心とした県内随一の歓楽街を抱えています。管内の人口は5万人弱ですが、夜間の人口流動が激しく、社交飲食店や性風俗特殊営業などがにぎわっていて酔客同士のトラブルや泥酔客の対応が多いのが特徴で、悪質な客引きやいかがわしい広告で風俗環境を害したり、また不法就労の外国人を雇う店があったりと様々です。2005年には歓楽街総合対策として、黄金町周辺の違法な特殊飲食店を一掃するなど、風俗環境の改善に一定の成果を上げてきました。しかしながら、客引きや風俗関連事案は引き続き発生していますので、継続して取り締まりを行っています」



カードすり替えや切り込みで誤信も



 ――中区・西区における事件発生件数はいかかですか。



 「県内をはじめ全体では減ってきていますが、特殊詐欺やひったくりなど身近な犯罪は発生していますので、体感治安が改善したということはまだまだ言えません」



 ――どのような犯罪が増加傾向にありますか。



 「全体が減少傾向にあるため、一概には言えないのですが、やはり挙げるならば『特殊詐欺』です。重点的に対策しなければならないと考えています。



 県内でみると特殊詐欺の認知件数は8月末時点で昨年同時期比マイナス約500件ですが、母数は大きく1224件(暫定値)発生しています」



 ――特殊詐欺が減らない要因はどのような点にあると考えますか。



 「犯人は、次々と新しい手口を考えてだまそうとしています。近年では金融機関のキャッシュカードをすり替える手口が増加していて、カードに切り込みを入れて使えないと誤信をさせて、カードをだまし取る新たな手口も発生しています。また、架空請求なども横行していて、有料サイトの未払いがあるとメールなどでメッセージを送り支払いを要求します。コンビニなどで電子ギフトカードを購入させ、その番号を聞き出して利用分をだまし取るという手口もあります。



 その他にも『アポ電強盗』という手口もあります。電話でタンス貯金を確認して、お金があることを確認したうえで夜に押し入る。県内でも数件発生していますので、電話で聞かれても自宅に置いてある現金のことは、絶対言わないようにしてください」



だましの一歩は電話から



 ――被害にあわないよう、日ごろからの心構えと対策のツールがあれば教えてください。



 「特殊詐欺の被害にあった方は、まさか自分が被害にあうとは思わなかった、自分は大丈夫と思っていたという方が多いのです。まずはその思いを払拭してほしい。だましの第一歩はほとんど電話から始まります。在宅時でも留守番電話設定にしておくことは有効ですし、迷惑電話防止機器を取り付けることも推奨しています。犯人は自分の声が録音されて証拠とされることを嫌がるので、有効な手段と言えます。この機器は家電量販店やインターネットショップなどでも購入できます」



 ――防犯には地域との連携が必須ですね。



 「まちの安全は警察の力だけでなく地域の協力があってこそ。防犯パトロールをはじめ防犯カメラの設置など、今後とも地域の方々と連携するとともに、警察の諸活動にご協力をお願いいたします。また、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が苦しい状況ですが、予防を徹底し、皆様とともに苦難を乗り越えていきたいと思います」

 

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