中区立野にある横浜国立大学教育学部附属横浜小学校の6年1組(37人)の児童らが、貧困にある国内の同世代支援のために、石けん製作に取り組んでいる。石けん作りのために集めた資金の一部は日本財団に寄付され、子どもの居場所づくりのための運営費に充てられるという。
同校では総合学習で学級ごとにテーマを据える中で、同学級は同世代の7人に1人が国内で相対的貧困に陥っているという実情を知り、それらを支援しようと計画。寄付金を自分たちで集めようと2019年から動き始めた。
当初は校内で保護者向けにカフェを開き、その売上の一部を寄付に充てるため、同年末に開催。2度目を企画していたが、新型コロナウイルスにより休校・中止に。
昨年6月には分散登下校が再開したが、コロナ禍で食品の提供は難しいと活動を見直した。そこでクラス全体で話し合い、今の時期需要が高いだろうと石けん作りを考案した。
試行錯誤の連続
そして迎えた第1回目の石けん作りでは、原因不明の水滴が発生するなど作業が難航していたが、地域の学校に向け石けん教室を開いている太陽油脂(株)=神奈川区=の社員を招き、指導を仰いだ。また初回時はグリセリンソープを溶かして作るもののみだったが、2回目では強アルカリ性の薬品とひまわり油などを混ぜたオイル石けんも製作した。
完成品はカフェの取組同様、保護者に向け販売し、利益は日本財団へ届けられる予定だ。また石けん作りの支援者らに届けるため、150個を目標に製作中。3月の卒業式を前に、現在作業は大詰めを迎えている。
児童の1人は「手元に届いた人に喜んでもらえるよう、カラフルな宝石のように加工したり、手紙などを付けたりと、みんなで考え工夫しました」と笑顔で話す。同学級担当の白川治教諭は「一から十まで児童らが全部自分たちでやってきた。卒業前にやり遂げる1つの事として達成してもらえたら」と思いを込めた。
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