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中区・西区・南区 人物風土記

公開日:2023.01.26

第32回三溪園フォトコンテストで特選に選ばれた
中山 泰雄さん
中区本牧原在住 89歳

写真は「人生そのもの」

 ○…一直線に足を伸ばしたヨガのポーズと三溪園を象徴する三重塔が呼応した瞬間をとらえた写真が、特選に選ばれた。第1回目から毎年応募し続け、これまでに20作品近く入賞している常連だが「やっぱり入賞は嬉しいですね」としみじみ。

 ○…中区花咲町出身。本町小4年の時、戦争で家が倒壊し、港北区に集団疎開した。社会人になり、初めて買ったカメラは中古でも月給3カ月分。最初は家族の記念写真を撮るだけだったが、同僚に誘われた山登りがきっかけで風景を撮るように。「写真が撮りたくて山に登っていたなぁ」と懐かしむ。かつては数々のフォトコンテストに応募し、世界で銅メダルに輝いたことも。

 ○…若い頃は公務員として働くかたわら、趣味にも大忙し。中でもアルトサックスは、習って2年で「もう月謝はいらない」と先生に言われるほど上達。休みの日にはバンドメンバーとして駆り出され全国を回り、一時はプロを目指したことも。「イベントの多い年末年始は忙しくて」。ホテルニューグランドのダンスホールで演奏したのも良い思い出だ。

 ○…定年退職後、長年住んだ南区から憧れの本牧へ。以来30年以上、三溪園にほぼ毎日通う。90歳を迎える今も自転車で乗り付け、9時の開園から撮影開始。「園内を一周すれば良い運動になるよ」と1日1千枚近く撮ることも。若い世代の写真仲間との交流や、写真を通じた妻との会話も元気の秘訣。パソコン操作もお手の物で、撮影した写真はデジタル管理。三溪園の生き生きとした日常をとらえた写真は、毎日訪れないと撮れない様な貴重な1枚も多く、お気に入りの写真はスマホに入れて持ち歩く。自身にとって写真はと問うと、少し考え「人生そのものだね」と微笑んだ。

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