約90店が加盟する野毛小路会の会長を務める 加藤 一さん 中区野毛町在住 74歳
街への恩返しに
○…野毛小路の3代目アーチがまもなく撤去される。「当たり前だった風景がなくなるのはやっぱりさみしいね」。初代アーチが設置されたのは本町小2年の頃。昭和30年代の地図を広げながら「今の野毛は飲食店のイメージだけど当時は物販店も多くて。近くの造船所の3交代に合わせて食堂が早朝から営業したり昼は買い物客、夜は飲み屋と1日中にぎやかな通りだった」と懐かしむ。
○…酒屋を営む「加藤彦三商店」の長男として野毛で生まれ、今も野毛小路の一角に夫婦で暮らす。聖光学院中高、慶応大を卒業後、結婚。飲食店が閉店した後の夜中に営業回りし早朝に帰宅、少し寝たら配達の日々。現役時代は趣味を楽しむ暇もなく「仕事一筋」だったが、今は「朝4時半起床、8時就寝」の健康的な生活に。お酒が大好きで「昔はウイスキーを2日に1本空けていたけれど、最近は1日1合まで」。月一で飲んでいるという級友から経営者まで交友関係は広く、街の生き字引的な存在だ。
○…店の創業100年を前に65歳で引退したのは「新婚旅行以来どこにも行けなかった」という妻との時間を作りたかったから。コロナ前までに訪れた国は30カ国以上。「帰国後、スーツケースをしまう前に次の旅行の予約をしていた」というほど夢中に。珍道中も多かったと笑いながら、旅の思い出話に花が咲く。
○…会長に就いた14年前から1軒1軒交渉を重ね、会の加盟率は9割に。チェーン店が増えるなど時代の流れを感じつつ、新しい店主たちとのふれあいも楽しむ。野毛の街を象徴するかのような人情味溢れる人柄で「動ける間は現役の人たちのサポートを」との思いは強い。「生まれてから長い間お世話になった街。少しでも恩返しになれば」と微笑んだ。
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