中区・西区・南区 社会
公開日:2025.09.25
「県警マーク、知っていますか」
作者が明かす、正しい意味とは
ある日、記者の元に1本の電話が入った。「神奈川県警のシンボルマークが間違った使われ方をしている」。電話の主は、約45年前にシンボルマークをデザインしたという伊藤吉治さん(84)=瀬谷区=。「神奈川のKと警察(ポリス)のP、真ん中には県の鳥・カモメ。囲んだ丸が団結を表しているんだ。それなのに…」。たまたま警察官が持ってきた県警のポスターとパンフレットを見てみると、丸がない。しかもその警察官にマークのデザインについて問うと「KSPですよね?」と。伊藤さんは「いつから丸のないマークが使われているのかは分からないが、カモメがSと言われるとは。当時のことを知る人がいなくなり、署内の人にさえマークに込めた本来の意味が伝わっていない」と肩を落とす。
全国初のシンボルマーク
神奈川県警のシンボルマークは、当時の本部長が「全国初となる県警のシンボルマークを作ろう」と発案。絵心のある県警内の5人が集められた。当時警務部教養課の巡査部長だった伊藤さんもその一人で、啓発ポスターの挿絵や犯人の似顔絵なども頼まれる腕前だ。最初はみんなで1つのロゴを考える方向だったが「各自がデザインを出し合った方がよい」と伊藤さんが提案し、正月休み返上で考えたという。実は、署内選考では伊藤さんのデザインは一度落選している。再審を頼まれたデザイン会社のプロが、伊藤さんの作品や意図を一目見て採用。79年3月にお披露目された。正真正銘、作者だという証拠の表彰状には仰々しく「金一封を添えて」とあるが「袋に入っていたのは500円だった」という笑い話も。
今もパトカーや各種啓発物などに使われているシンボルマーク。「マークに込めた意味も含めて選ばれたデザイン。だからこそ正しく丸を入れたかたちで使ってもらえたら」と切に願っている。
ピックアップ
意見広告・議会報告
中区・西区・南区 ローカルニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












