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中区・西区・南区 社会

公開日:2026.01.01

南吉田小が創立120周年
多文化共生の教育推進

  • 昨年11月に開催された式典で、祝辞を述べる佐治会長

  • 120周年を記念して作られた法被やTシャツ

  • 式典では、120周年を記念した歌を披露

  • 式典に先駆け開催された誕生日会では、エクセレンスのピックとロールも登場

 昨年、創立120周年を迎えた横浜市立南吉田小学校(金子正人校長)=南区高根町。2025年は、アニバーサリーイヤーとして、児童や学校、まちが一体となり記念事業を進めてきた。11月には、地域住民などを招き記念式典を盛大に行った。

昨年11月に記念式典

 創立120周年の記念式典が昨年11月15日に開催された。中区・南区の区長をはじめ、同校の関係者や地域住民などが出席した。周年行事の実行委員長を務めた佐治周平さんは「私が在学していたときはちょうど80周年でした。120周年の祝辞を述べられることがとても嬉しいです」と喜びを言葉にした。

 式典では、在校生が120周年を記念した歌やソーラン節を披露。120周年の活動を動画で参加者に報告した。

震災で校舎焼失

 同校は1905(明治38)年に区設の尋常高等小学校から独立した市設の「横浜市立第三高等小学校」として創立した。

 校舎は旧吉田新田の西側(現高根町)に建てられた。23(大正12)年に関東大震災で校舎が焼失。震災を乗り越え、約3年後に現在の場所に鉄筋コンクリート造りの校舎に建て替えられた。47(昭和22)年に「横浜市南吉田尋常小学校」から現在の学校名に改称された。その後、80(昭和55)年に現在の学び舎となる鉄筋4階建の新校舎と体育館が完成した。

外国籍児童が6割

 同校は、南区寿東部地区と中区埋地地区を学区に27学級約600人の児童が在籍。全児童のうち、約6割が外国籍や外国にルーツを持つ。日本も含め16の国と地域の子どもたちが学んでいる。

 「笑顔で結びつなげよう南吉田」を合言葉に学校づくりを展開。多言語によるあいさつ運動や様々な文化を学ぶ授業など、児童たちが主体的に多様性を尊重する風土が根付く。23年2月に「多文化共生の学校づくり」のモデルとなる取り組みに対して、パナソニック教育財団が主催する「こどもたちのこころを育む活動」で全国大賞に輝いた。24年11月には優れた教育実践を顕彰する「博報賞奨励賞」を博報堂教育財団から受賞する等、全国から注目を集める。

地域連携も盛んに

 5年生の総合的な学習では、プロバスケットボールチームB2の横浜エクセレンスと地域連携活動を実施。児童が同チームの「スマイルアンバサダー」を務め、田植えを一緒に行ったり、試合への応援、チームの練習を見学するなど様々な体験活動を行っている。

 4年生は、横浜橋通商店街と連携。昨年12月に「自転車の乗り方啓発キャンペーン」を実施。多くの外国人が利用する商店街で多言語のチラシやポスター、CMを作成し、商店街利用者に商店街内での自転車のマナーの遵守を呼びかけた。

 金子校長は「多文化共生を推進する教育を進めてきた。今後も保護者や地域の皆様のお力を借りながら、学校運営を進めていきたい」と話した。

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