発想が拓く新たな興隆

　○…青春時代を過ごしたまちを盛り上げようと通信販売の飲食店と協力し、自身が運営するレンタルシェアキッチンでマルシェを月１回開催している。今は仕事の関係で町田市に住んでいるが「地元愛が強い」と故郷を想い続ける。「店と店、店と住民、住民同士を結ぶ一つのきっかけになれば」と期待を込め、コロナ禍で変化した販路開拓を探りたいとも。

　○…白百合光の子幼稚園、南太田小、蒔田中出身。３歳から20歳まで南太田で暮らした。高校卒業後はやりたいことが見つからず、職を転々とする日々が続いた。仕事にやりがいを感じるようになったのは20代前半で、父が経営していたリフォーム業などを手掛ける会社に入ってから。当初は図面が読めずに苦労したが「何も知らないからこそ成長するチャンス」と奮起。地道に働き続けた結果、リゾートマンション建設などの大きな仕事を任され、それが自信になったという。

　○…父の会社を退職した後、横浜の金物店を経て、３年前に町田市にリフォーム店を開業。韓国発祥の「ドローンサッカー」のゴールを作るなど、活動の幅を広げてきた。２０１９年に空き家だった実家を改装して民泊業を始めたが、新型コロナの影響で営業が困難になった。菓子を通信販売する知人から「地域に宣伝する機会を作ってほしい」との相談を受けたことで方向転換。人々が交流できるレンタルシェアキッチンを作った。

　○…家庭では妻と２人の子を持つ父親。おしゃれな小物を作るなど、家族を笑顔にする。南太田のまちについて「子育て世代が多く住み、まだまだにぎわいを生み出せる可能性がある」と語る。「まちにとって意味のある取り組みを考えていきたい」。その言葉を胸に地元の活性化を促す。