土器作家として活動し、横浜市歴史博物館の展覧会で作品を展示している 松山 賢さん 榎町在住
変化する感性を追求
○…「年齢は秘密です」――。独特なオーラを放ち、絵画や彫刻作品などを手掛ける美術家として探求心を深める。5年前に土器作家という新しい道を切り開き、縄文時代の「土偶」などの制作に没頭する。現在、横浜市歴史博物館で開催中の展覧会に力作を展示し、来館者を魅了している。「縄文土器を知らない人が作品を見て、文化そのものに興味を持つ足がかりになれば」と裏表のない笑顔を見せる。
○…岩手県出身。北海道・北東北の縄文遺跡群の一つとして世界遺産に登録された「御所野遺跡」の近くで生まれた。「大人数で遊ぶよりも、一人で絵を描いたり、粘土で遊ぶような子どもだった」と幼少期から美術家の片鱗を見せた。芸術系の大学院修了後は油彩画や彫刻など、幅広い作品と向き合ってきた。「さまざまな模様があって面白い」と縄文土器の魅力に引き込まれ、5年前から作品を作っている。「制作はもちろん、アイデア出しの段階から楽しい」と熱中する。
○…「作品は時代の中にあり、人の感性は変わりゆく」と語り、第一線で活躍する今も探求心を持つ。美術関連の本を読んだり、自分が出演しない展覧会にも積極的に足を運ぶなど勉強に励む。「何事も知識を得ることで、その魅力や面白さが分かる」ときっぱり。美術に役立てようとする意識はないが、日常生活での何気ない経験が創作活動に活かされるとも。
○…榎町に住んで17年。「この前は横浜橋通商店街で牡蠣キムチを買った」と話し、珍しい食品が目を引くという。横浜の美術展やイベントで築き上げた人脈もあり、「コロナが落ち着いたら、美術家同士でお酒を飲みながら語り合いたい」と笑う。飽くなき探求心と豊かな発想力で今後も名作を生み出す。
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