北永田地区連合町内会の会長を昨年11月から務めている 紙透 功さん 永田北在住 83歳
地元愛 背中で示す
○…地域活動に取り組んで46年。83歳にして、21の自治会町内会のまとめ役となった。周りは年下の役員ばかりだが、腰が低く、謙虚に振る舞う様子が印象的。「『自分は下っ端』という意識でいる。威圧感を与えず、皆さんが意見を言いやすい場をつくり、個性が活きるまちにしたい」と話し、利害関係のないコミュニティーを目指す。
○…永田北で生まれ育ち、井土ケ谷小、蒔田中を卒業した。「昔の永田は今よりも緑に囲まれていた」といい、自然に実ったバライチゴなどを友人とともに食べたのが幼少期の良い思い出。当時は戦争の真っ最中で、上空を飛び交う航空機「B29」に怯える日々を過ごしていた。「小学校の入学式は井土ケ谷小が空襲で倒壊したので大岡小で開かれたが、途中で空襲警報が発令された。母が自分を抱きかかえて避難する姿を今でも覚えている」と声を詰まらせる。「攻撃を受けて避難するウクライナの人々の気持ちを考えると胸が痛む。戦争は絶対にだめ」と世界平和を願う。
○…高校卒業後は鋳物を作る会社で働く傍ら、37歳の若さで「永田町上第七町内会」の会長を任され、46年間担っている。最近、次女が地域でボランティア活動を始めたといい、地元を愛する父の思いは次代に伝わっている。「(次女が)まちを盛り上げる新たな活動を考えているようで」と嬉しそうに話す。
○…江戸時代の荷役制度「助郷(すけごう)」の伝承を目指す「永田村助郷伝承保存会」の活動を牽引する。「助郷は永田の大切な歴史なので、子どもたちに伝えていきたい」と思いが熱い。江戸時代の保土ケ谷宿を描いた浮世絵を永田中の美術部が現代風にアレンジした水彩画を文化祭で展示するなど、その思いは確実に後世に受け継がれている。
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