身近な存在で治安守る



　○...横浜では加賀町、港南、栄、神奈川で勤務し、南が５署目になる。南区のスローガン「南の風はあったかい」にふさわしい、人情味あふれる商店街などが昔ながらの雰囲気を醸し出し、にぎやかなまちに「ほっこりする」と微笑む。「地域に愛される警察署」を目標に、官民連携で地域の安心安全を守っていく。



　○...平塚育ち。高知県警に勤めていた叔父の影響で警察官を目指し、高卒で神奈川県警に入職した。刑事ドラマのように犯人逮捕だけが仕事だと思っていたが、交番勤務で迷子の保護などを経験し、「警察官は困っている人に手を差し伸べる身近な存在」という認識に変わった。20歳のころ、見知らぬ男性からつきまとわれているという女性から相談を受けた。「ストーカー」という言葉がなかった時代。パトロールで男性を特定して注意した。すると、男性から「注意していただきありがとうございました」と感謝の言葉をもらった。「男性が動機を話す中で自分の間違いに気付いてくれた。しっかりと相手の話を聞くことが大切だと実感した」



　○...前任地の津久井警察署＝相模原市＝に勤務していた時に大型台風を経験。地元から犠牲者が出たことを教訓に「災害対策にも力を入れたい」と話す。南区には土砂災害などの恐れがある地域も。区や消防と連携し、自治会町内会などに呼び掛けていきたいという。



　○...コロナ禍で街頭活動が限られる中、非接触での呼び掛けが重要だと言い、「ピーガルくん子ども安全メール」などを使って、子どもたちを犯罪から守りたいとも。「生活安全課、交通課などの枠組みに捉われず、みんなで特殊詐欺や交通事故への注意を住民に発信したい」――。総力を結集して、住民と同じ目線で寄り添っていく。