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南区 人物風土記

公開日:2022.11.03

環境保護と地域交流がテーマのイベントを企画した「夢学童保育」の指導員を務める
八木 晶子さん
永田北在住

輝く個性を見守る

 ○…学童に通う子どもたちが着られなくなった服などを無償で提供するイベント「おゆずりパーク」の発起人の一人として、学童と地域の架け橋となった。学童では「おやぎ」という愛称で親しまれている。「子どもの思いを尊重した居場所づくりを意識している」と親身になって寄り添う。

 ○…高校1年の2学期に、父の転勤で横浜から福岡の学校へ転校し、横浜国大進学を機に横浜に帰郷。教員免許を取得し、卒業後は晴れて教師として働くはずだったが、健康上の理由で断念せざるを得なくなった。そんな時、縁あって紹介されたのが学童指導員の仕事で、夢学童保育の前身の富士見台学童に就職した。そこで目にしたのが子どもたちの輝く個性。「お互いの特技を褒め合う姿にほっこりした」と振り返る。脇で音を鳴らすという特技を持った男児がきっかけで「脇の下を鳴らす大会」が開かれたことが印象に残っていると言い、「それも個性だね」と笑う。

 ○…指導員になって約30年。子どもの絆を感じたエピソードも多い。20年前、小学3年の男児が北海道へ引っ越すことになった。男児の友人たちは「必ず会いに行くから」と約束。それから1年半、北海道へ行く旅費を稼ぐため、フリーマーケットの手伝いなどに励んだ。自身は援助のつもりで5万円を出したが、その後、子どもたちは全額を返済してきた。「返してくれた5万円は今も大切に残している」と親心を見せる。

 ○…これまでに送り出した子どもは400人を数え、中には学童のスタッフとしてともに働く教え子もいる。「この間まで叱られてばかりの子どもが指導する立場になって」と笑いながらも頼りにしているという。絆を育み、個性を生かす場所を守っていく。

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