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南区 人物風土記

公開日:2023.04.20

六ツ川でアートギャラリー「Goozen」を主宰し、様々なイベントを企画する
矢野 信一郎さん
旭区在住 52歳

直感信じ、自分らしく

 ○…障害者と健常者がともに芸術活動を発表するアートギャラリーを六ツ川に構えて1年。障害のある芸術家の個展を初めて企画し、色鉛筆で自由に力強く表現された作品が並ぶ。「作る側も見る側も直感を大切にし、自分らしさを尊重してほしい」と呼び掛ける。

 ○…デザインの専門学校を卒業し、イラストレーターとして長年活動する中、6年前、創作に行き詰って八方塞がりになった。ネガティブ思考を断ち切ろうと、自身のキャリアを見つめ直す充電期間に。未経験の仕事に挑戦することが次への一歩になると考え、イラストレーターと両立する形で、障害者が共同生活を送るグループホームの職員になった。自然体でいる障害者と関わり、必要以上に人の目を気にしなくなったといい、「自分らしさを大切にできるようになった。入居者の方々から教わることが多い」と感謝する。

 ○…グループホームで働き始めて少し経った時、障害者が作ったアートを展示する作品展を訪れ、言葉では表現できない独創的な世界観に魅了されたという。「中学生のころから社会一般の価値観に合わせられないことが多く、どこか共感するところがあった」と述懐する。大多数に認められている芸術だけが全てではないとし、障害の有無を超えたアートギャラリー「Goozen」を昨年4月に開業した。

 ○…作品展のほか、音楽ライブを行うなど、ジャンルに捉われないギャラリーを目指す。「成功も失敗も受け入れ、次に生かせれば」とポジティブ思考で可能性を探る。南区で活動する現代美術家らとの交流も生まれ、「一緒に何かできたら」と期待を膨らませる。「偶然の出会い」を大切にし、地域住民が気軽に立ち寄ることができる空間を作っていく。

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